NEWS

SKATE×HIPHOPを自分だけのやり方で表現-Diaspora Skateboards〈後編〉
UPDATE: 2017.03.15

SKATE×HIPHOPを自分だけのやり方で表現-Diaspora Skateboards〈後編〉

「SKATE & HIPHOP」をテーマに自由でインディペンデントでDIYなストリートのマインドをお伝えしている04月号からスケート、HIPHOP両面を映像で表現するDiaspora Skateboardsのフィルマー、小林万里氏のインタビューをお届け。前編では彼らのルーツについて聞いていったが、後編では実際にDiaspora Skateboardsが出来上がってから今までの活動について、そしてスケートとHIPHOPへの思いについて聞いてみた。

 

〈前編はこちら〉http://www.olliemagazine.com/jp/diaspora1/

 

Fla$hBackSとの出会いがMVを撮るキッカケに

 

―映像を作りはじめた高校時代から時間が経って東京に出てきて今のDiaspora Skateboardsが出来上がっていくと思うんですけど、Diaspora Skateboardsの1stは基本有りものの音ですよね?

B:そうですね。まだ仲間のビートでやるっていう発想がなかったんで。

「Diaspora~every little moment~ Trailer」

 

―クラブ行ったりすると知り合いも増えて、環境がガラっと変わるじゃないですか?

B:行ってましたけど、最初は全然増えなかったですね。シャイなんであんまり馴染めなかったし、結局スケボーしちゃうみたいな。

―どのタイミングで友達の音源を使うようになるんですか?2分ちょいのメンバー紹介のやつは?

B:あれから友達のやつですね。確かTwitterでスケーターのビートメイカーにフォローしてもらって、誰だ?と思って曲を聴いたらすごいかっこよくて。それがBugseed(注釈1)っていうビートメイカーだったんです。彼もスケーターでDiasporaをチェックしてくれてて、コンタクトしたら、「是非!」みたいな感じでビートがめちゃくちゃ送られてきたんです。同じ世代のBugseedに出会えたのが自分にとって転機というか。

 

「Who’s in ΔΣΠ? by diaspora」

 

―Bugseedがキッカケなんですね。

B:そっからビートシーンのILLSUGIとかAru-2とか、STUTSとも知り合って仲良くなっていったんですよね。そのあたりから有りものじゃなくて、オレらはこういう(仲間の音を使わせてもらう)スタイルかなって思うようになったんです。高校から大学入学くらいのころから、MONJU、S . L . A . C . K、Budamunkとか、JAZZY SPORTやDOWN NORTH CAMP周辺ですね。僕にかっこいい音楽を教えてくれた人が地元の松本にいて、カックンって人で洋服屋さんをやってたんですよ。その人に色んな音楽を教えてもらいましたね。Olieve OilとかMEDULLAとか。

 

「【7INCTREE#1 Digest】RapRush / ISSUGI feat JJJ MrPug Illnandes as DJ K-Flash prod JJJ」

毎月ISSUGIが気になるアーティストと楽曲を制作し、7インチをリリースしていく企画「7inc TREE」。映像は小林氏が手がけている。

 

―スケートビデオからHIPHOPのMVを撮るようになったキッカケはFla$hBackSですか?

B:そうですね、それがスケートじゃない方のすべてのはじまりです。友達で写真撮ってるやつがいて、そいつから「Fla$hBackSが誰かビデオ撮れる人探してるよ」みたいなのを聞いたんです。そしたら数日後、急にfebbから電話がかかってきて「今度出すアルバムのビデオ撮ってもらっていいすか?」みたいな(笑)。当時MVを撮れるようなハイスペックのカメラを持ってなかったんですけど、作るからにはってことで自分で買いましたね。最初はカメラだけ回してほしいぐらいの話だったんですけど、途中から自分が編集までやることになってましたね(笑)

̶もうやるしかないパターン(笑)。もちろん絵コンテとか何もなくて「とりあえず歩きながらここで撮ろう」みたいな?

B:そのパターンでしたね(笑)。それが最初の経験ですごくいいことやらせてもらったなーって思ってて。

―編集作業は結構色々言われました?

B:かなり指摘はありましたね。

―細かかったですか?

B:細かくはないですけど、結構的確なダメだしをされて。

―それはfebbにですか?

B:ほとんどfebbにです(笑)。

「ここちょっと違うと思うんすよね」みたいな。

―結果的に全部febb(笑)。

B:ですね(笑)。こだわりが強いんで。

―天才ですからね。

B:こういうMVにしてほしい、みたいなのを何個か見せられて。たしかCurren$y(注釈2)とかを観せられたのかな。でも、そういう風にフィードバックを的確にしてもらって、結果として人に見せられるビデオになった気がします。『Fla$hBackS』のMVを出してすごい反響が良かった。

 

「Fla$hBackS – Fla$hBackS (jjj,Febb As Young Mason&KID FRESINO)」

 

カッコいい人たちをそれ以上に見せるのが大切

 

̶やっぱりMV撮るのとスケートビデオを撮るのは素人が考えても全然違うじゃないですか?どっちも面白いって感じですか?

B:どっちも面白かったですね、やっぱり全然違うんで。MV撮ってるのがスケートに活かされるのもあると思うし、スケート撮ってるのをISSUGIくんが評価してくれてたりとかもありますし。なんかそういう風に知らず知らずのうちに、両方に活かされてる部分もあるのかなとも感じますね。

―基本的にベースはアーティスト側にお願いしてそこからディスカッションするやり方ですか?

B:そうですね。イメージは毎回伝えてもらって、それに対して自分が撮り方やスポットを提案して。あとはまあ、自分の頭の中で編集を結構考えたりしてて……。当日相談しながらって感じでもあるんですけど、結構スポットにはこだわっていて。やっぱ街を歩いてても車に乗ってても、いつもスケートスポットを探してる感じなんですよ。それと同時にMV撮れそうなカッコいいとこあったらソレをいつもカメラで撮っていて。そういうスポットシークをする目線は、スケート始めてからずっとやってて自然と身についてるので、結構スケーターならではのMVになってるのかなって思ったりはします。編集で言うとこの間ISSUGIくんとも話してたんですが、映像にも音楽と同じようにグルーヴがあると思っていて、例えばビートメイカーがサンプルをチョップするように映像もカットの仕方とか音ハメによってグルーヴが生まれるんです。そのあたりは結構意識してますね。あとはGIRLのビデオの中でスケーターがHIPHOPで滑ってるのが原体験としてあるんで、それが(自分の)標準になっちゃってるんです。

―Diasporaの映像を作るときって、どういう感覚でビートは選ぶんですか?

B:キャラクターは考えますね。一応自分である程度大枠を作って「こういうのどう?」って相談をして。でもスケーター自身のパートってところが1番デカいと思うので、そこは相談しつつハマる良いものを作れたらなっていう感じですね。

―そこで結構食い違うことってあるじゃないですか?

B:ありますね。

―そういう時はどうするんですか?ひたすら話し合い?

B:話し合うしかないですね。あとは別のを提案するとか。自分としてはみんなの滑りが映えて、なおかつ周りの反響があった時が1番嬉しいですよね。やっぱり裏方なんで。かっこいいヤツらをどうやってもっとかっこよく見せるかみたいなところは、自分の仕事かなーって思って。

―それはもうラッパーに対しても?

B:そうですね。自分は運良くカッコいい人たちとやらせてもらってるから、そんなことを気にする必要もないくらい本当に恵まれてると思うんですけど。

̶これから先は今までと違う、こんなの撮りたいとかあります?

B:ドキュメンタリーとか撮りたいですね。

―アーティストさんの?

B:はい。

―それ、めちゃくちゃ良いんじゃないですか?ショートムービー的な。

B:やっぱ近い(関係性の)人が撮った方が良い絵が撮れると思うんですよ。

―撮らせてくれないってところからスタートじゃないですか?0か100か、みたいな。

B:ですよね。今までのスタンスでスケートとHIPHOPを続けながら違ったことをやるのも、ある意味スケートとHIPHOPをやってきたからできることなのかなって感じですね。

 

※注釈1

1989年東京生まれのビートメイカー。2010年に『Bohemian Beatnik LP』でデビューし、HIPHOPファンを中心に人気を集めている。

 

※注釈2

読み方はカレンシー。ニューオリンズ出身のラッパー。

TAG:
MUSIC

SNS: