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スケートシーンの過去から未来を<br />DOGTOWNのレジェンドに聞こう<br />-Jim Muir INTERVIEW-
UPDATE: 2019.02.22

スケートシーンの過去から未来を
DOGTOWNのレジェンドに聞こう
-Jim Muir INTERVIEW-

2020年に開催される東京オリンピックでは競技に選ばれ、SNSの普及によって世界各地のスケーターのフッテージが、すぐに手元のスマホでチェックできたり、レジェンドと若手が同じチームで活動したりと、時代の進化と共にスケートボードの環境も常に変化し続けている。そんな環境の変化に対する意見は人それぞれあるけれど、スケートカルチャーの生みの親といっても過言ではない、スケート界のレジェンドは過去から現在、そして未来のスケートボードをどう見ているんだろう? Z-BOYSという、ヴェニスの伝説的スケートチームのオリジナルメンバーであり、そこで培ったカルチャーを〈DOGTOWN SKATEBOARDS〉として40年以上アウトプットし続けるJim Muirに、そんな疑問をぶつけてみた。
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ギャングの溜まり場から
カルチャー発信の場へ

 
ー前回日本にきたのはいつですか?
 
Jim Muir(以下J):たぶん18年前、確か2000年くらいの時に弟のMike(※スケーターズロックの生みの親とも称される、Suicidal Tendenciesのフロントマン)、Eric Dressen(※同じくDOGTOWNのメンバーであり、タトゥーイストとしても活躍)とか、他にも一緒に来た奴がいたんだけど忘れちゃったよ。
 
ー日本で注目しているスケーターはいますか?
 
J:名前はわからないけど、注目している若手日本人スケーターは何人かいるよ。特にX-GAMESに出てる日本人ライダーはすごい優秀で才能があるし、今までにないタイプだと思う。
 
ー日本もU.S.も音楽の主流はHIPHOPになりつつあるけれど、今でも聴くのはやっぱりロックですか?
 
J:そうだね、でも俺はさまざまなジャンルの音楽を聴くよ。色々な音楽と共に育ってきたからね。SKATE、PUNK ROCK 、HIPHOP、この3つは常にオリジナリティがあり、独創的でユニークなスタイルとファッション、新しいエナジーが生まれ続けてる。他のカルチャーは全てがコピーで、この3つのカルチャーから影響されて今の形になってるんだ。PUNK ROCK とHIPHOPは常にスケートカルチャーのサウンドトラックであるからね。BLACK FLAG, ROLLING STONES, JIMMY HENDRIX, LED ZEPPELIN, BLACK SABATHなんかは、今の若い子たちも聴いているみたいで、当時から好きだった自分としては嬉しいね。
 
ー生まれ故郷のヴェニスについて、昔と今で変化した部分はありますか?
 
J:昔のヴェニスはギャング、ドラッグ、暴力で入り乱れていた。でも、そこには常にスケートカルチャーとサーフカルチャーが根付いていたよ。なんて言ってもすぐそこにビーチがあるからね。今は昔と違って良い方向に進化してると思う。昔のヴェニスに住んでいたのは、肉体労働者や産業労働者ばかりだった。今ではとても人気な場所になって、不動産価格や物価など全てが高くなっているよ。だけど進化した事によって、たくさんの根付いていたカルチャーが無くなり、ヒスパニック、アメリカ系アフリカ人、その他にヴェニスで育ってきた人々はほとんど住んでないんだ。もちろんヴェニスで育ってきた奴らで金持ちになった奴もいるけどね。そんな環境の中でも、ハードコアシーンやオールドカルチャーは残っているよ。
 
ーヴェニスで今注目しているスケーターやサーファーは?
 
J:Kevin Bradley(※SupremeやFucking Awsome、NIKE SBなどに所属し、日本でも人気)とBlake Johnson(※INDEPENDENTやSANTA CRUZなど、老舗カンパニーに所属する)。Blake Johnsonは俺の息子と同じ小学校に通っていたんだ。ヴェニスで育ってきた若いサーファー達は、みんな拠点をハワイに移してるよ。
 
ーヴェニスに住んでいる人たちが変化したことにより、どんな場所になりましたか?
 
J:今はたくさんのチャンスを掴み取れる環境が整っているから、世界中の人達がヴェニスに集まってきている。HOLLYWOODに住んでた金持ちでさえ、今やヴェニスを拠点してイケてるカルチャーにハマりたいんだよ。LAにはサーフィンとスケート、HOLLYWOODにはマルチメディア、その他にもクリエイティブなマインドを持っている奴らで溢れてる。そんなプロダクションだったり、ファションブランドがLAに拠点を移して、そこに根付くカルチャーを巻き込こんで発信してるんだ。
 
 
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スケートが競技になっても
ストリートの本質は変わらない

 
ースケートボードがオリンピック競技になることに対して、スケートをカルチャーとして根付かせ、40年以上シーンを見てきたJimはどう思いますか?
 
J:俺はスケートボードがオリンピック競技になることは必然的だと思ってるし、スポーツであるとも思ってるよ。中には賛成しない人達もいると思うけど、スノーボードだってオリンピック競技だし、スケートボードも60年代の頃から大会は行われているし、オリンピック競技に追加されたからといって何も変わらないと思うよ。結局オリンピックで何が起きようが、ストリートでスケートできる場所は山ほどあるんだ。自分でスポットを探して、立ち入り禁止場所のフェンスを飛び越えてハンドレールを滑ったり、常に次の新しいスポット見つけたりね。でも、自分で見つけたスポットに行けるのは、夜中の10時から3時までと限られてしまう場合もあるけど(笑)。
 
ーインターネットやSNSが当たり前になって、世界各地のスケーターが残したフッテージが、いつでも簡単に見れるようになった今のシーンに思うことは?
 
J:今は様々な形で情報が得られるようになった。スケートを学んだり見たりすることが簡単にできるようになって、可能性が広がってると思う。そして、新しいフッテージを見れることによって新たなものが誕生し、スケートカルチャーを導いてくことで進化に繋がっているね。でも、何かから影響されるということは今も昔も変わらないんだ。俺の時代だって、他の人のスケートから影響を受けて学んだよ。ただ、それが雑誌という情報源だっただけ。
 
ー〈DOGTOWN SKATEBOARDS〉というブランドが今と昔で変わった部分はありますか?
 
J:ブランドのアティテュードは何も変わっていないよ。プロダクションのプロセスは時代の流れとともに変化して、高いクオリティでボードやアパレルが作れるようになったけどね。デザインは今でも昔からのものを受け継いでる。最近ではコラボレーションをやることも多くなって、複数のカルチャーを融合させることで新たなエナジーがブランドに生まれているんだ。
 
ーメイクするスケートデッキに対する思い入れはありますか?
 
J:今でもボードをデザインするのは大好きで、カスタムメイドのボードを自分で作ったりしながら、クラシックなグラフィックアートもデザインに取り入れてるよ。あと、工場に生産を依頼する前には、必ず自分のスタジオでボードの形を一から切って作り、自らペイントしてから使ってもらいたい素材を工場に持ち込み生産してもらってるよ。ブランドは進化し続けているけど、全てのデザインは昔にデザインしたボードから常にインスパイアされてるのさ。
ーブランドを通して、日本人や世の中に伝えたい事はありますか?
 
J:仲間のShogo Kubo(※DOGTOWNのメンバーとして活躍しながら、2014年に亡くなってしまった。RIP)やAki Akiyama(※日本初のプロスケートボーダーであり、還暦を過ぎた今も現役で滑り続けるリビング•レジェンド)など、俺はたくさんの日本人に影響を受けているんだ。日本には活気が溢れているし、歴史や伝統に対する感謝も大きいから、長くこのブランドを受け継いでもらえたら嬉しいね。
 
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〈お問い合わせ〉
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